アフィリエイトはビジネスだ。商売だ。となると、帳簿ってもんをつけなくてはいけない。日々、どれだけ売上があり、どれだけ経費がかかり、どこへいくら動いたか。そういうお金の動きを記録する必要がある。

しかし、いざ会計ソフトを使ってみても、初心者にはわからないことだらけである。勘定科目? 家事按分? 事業主借? まず、言葉がわからない。気づけばパソコンの前で脳みそがショートし、両耳から焦げ臭い煙が噴き出す始末だ。

そんなあなたに、「アフィリエイトの帳簿・会計」について、わかりやすく解説しよう。……まあ、私も超初心者なんだけども。

帳簿はなぜ必要なの?

帳簿と電卓

帳簿(ちょうぼ)とは、日々の取引を記録しておくものだ。いついつに売上がいくら、こんな経費がいくらかかった、どこへいくら振り込んだ、などなど。そういう記録をつけていく。家計簿もこの一種。

なぜこれが必要かというと、もちろん、ビジネスとしてアフィリエイトをやっていく上で、お金の流れを把握しておく必要があるから。なんとなくいくら入ってきたかはわかるが、経費としていくら出ていったのか、全体の収支はどんなもんか、それをちゃんとわかるように、帳簿をつける必要がある。

あともう一つ、帳簿がないと確定申告のときに困る。収入、経費、その他のお金の動き、資産の額、そういうものを記録していないと、正しく申告できない。テキトーにやってしまうと青色申告をすることができず、65万円の控除が受けられなくなってしまう。

なお、青色申告には複式簿記で帳簿をつける必要がある。

「フクシキボキ? なんだか難しそうだなぁ。ボキには無理だよ」

なんて思って敬遠してる方もいるだろうが、なーに、全然平気。まったく心配することはない。ボキのボの字すらない人にだって、複式簿記はできちゃうのだ

帳簿付けには会計ソフトのfreeeを使え

というのも、会計ソフトというものがあって、これがほとんどのことをやってくれるから。取引をきちんと入力していけば、複式簿記は自動で作ってくれる。だから、白色申告をするのとさして労力は変わらないのだ。

ちなみに、私は会計ソフトのfreeeを使っている。他にもMFクラウドだとかやよい会計だとか、いろんなものがあるが、これがいちばんよさそうだった。実際、すごくいい。

まずインターフェースが使いやすいし、多くの口座が同期できるし、解説本も出ていて、さらにはYouTubeに動画もある。今後、freeeは会計ソフトのスタンダードになっていくんじゃないかと思う。

アフィリエイターのあなた、会計ソフトはfreeeを使うべし。



同期できないクレジットカードに注意

freeeでもできないよ

とはいえ、少し注意点もある。freeeを導入するにあたって気をつけるべきことはこちら。

  • ゆうちょダイレクトは2ヶ月分ほどしか同期できない
  • アコムのクレジットカードは同期できない

ひとつ目はfreeeではなく、ゆうちょの仕様だ。なぜか2ヶ月分ほどしかデータを同期できない(吸い出せない)のである。だから、3月にあわてて確定申告の準備をし、いざゆうちょの取引情報を取り込もうと思っても、前年の分はほぼ闇の中というわけ。

普段から紙の通帳に記帳していればいいが、それもしていなかった場合、もはや過去の取引情報は闇の中だ。

ちなみに、私はA8.netの報酬をゆうちょに入れていたので、A8.netの売上は自動で取れなかった。なので、すべて手動で入力していった。実に不便である。

それから、アコムのクレジットカードをよく利用していたのだが、これも同期できない。非常に不便。なぜこれほど有名なクレカが非対応なのか、よくわからない。ただし、過去の明細を見ることはできるので、それを見ながら、やはり手動で入力した。

事業をはじめたのなら、プライベートとは別でクレジットカードを作り、そこに一本化すべきだが、アコムはだめだ。楽天カードは対応してる。あなたの使っているクレジットカードが対応しているかどうかは、事前に調べておいた方がいい。

どこまでアフィリエイトの経費にできる? 家事按分とは?

分ける作業

さて、大事な話題に入ろう。アフィリエイトにかかった費用は、どこまで経費にできるのか? もちろん、できるだけ多くの出費を経費にしたい。その方が所得が目減りし、払う税金を減らせるからだ。

明らかに経費とできるのは、たとえばアフィリエイトで使うアプリや教材、塾の費用、書籍代だ。全額、経費にしていい。

ただし微妙なのは、たとえばレビューが主目的で購入したけど、プライベートでも使っているようなもの。サプリを買ってレビュー記事を書いたけど、個人的にも好きで飲んでいる。この場合はどうするか? あるいは加圧シャツを買って何度かレビューしたけど、そのあとも普通に使ってるという場合。

この場合、理想を言えば家事按分というものがいい。家事按分とは「○%は事業用だから経費、残りの◯%はプライベートだから経費じゃない」というやり方のこと。

なので、レビューでも使い個人でも使ったものについては、たとえば「レビュー商品」という勘定科目で登録し、50%で按分するなどすればいい。

私の場合、レビュー用に買ったものは少なく、面倒なのですべてプライベート用としてしまった。額が増えてきたら、按分しようと思っている。

あと、『アイアンマン』を見てそのレビューを書いたり、本を読んでその書評を書いたりもしたのだが、エンタメ系はどうも経費とすることにためらいがあり、やめておいた。たぶん、こういうのは認められにくいんじゃないか。

あと、気になるのは家賃・光熱費・通信費・電気代などである。これらは生活費でもあるが、事業のための出費でもある。もちろん、これも家事按分だ。ではパーセンテージをどうすればいいかというと、考え方は2つある。

  • 広さで考える
  • 時間で考える

主に家賃についてだが、たとえば部屋の半分をアフィリエイトの作業用に使ってるなら、家事按分の比率を50%にする。けど、アフィリはだいたいパソコンのある狭い範囲しか使わないので、この考え方はどうにも具合が悪い。

そこで、時間で考えるという方法もある。1日の半分を部屋で作業してるなら、50%で按分する。もしほとんどの時間を作業に費やしているなら、70%とか80%でもいいかもしれない。

ただしその場合、分母を「起きている時間」にするのか、「24時間」にするのか、そこがわからない。これについては、あまりはっきりした情報がなかった。このへんは法律でこうと決まっているわけではなく、初心者には判断が難しいところである。

私はやや安全を取り、50%とした。電気代や通信費(スマホ料金)も同様。

勘定科目とは何か? アフィリエイトの勘定科目一覧

帳簿をつけてて、というかfreeeで取引の入力をしててまず迷いのは、勘定科目(かんじょうかもく)というものだ。収入にしろ支出にしろ、それぞれ勘定科目というものを入れなければいけないのだ。

なんだか古臭い漢字四文字で、思わずたじろいでしまう。

けど、これはつまり、その取引の種類である。それがどういうお金なのかを示すためのジャンル分けみたいなもんだ。勘定科目の名称自体は割とわかりやすいので、そう混乱することはないだろう。

ちなみに、アフィリエイトでよく使う……というか、私が使った勘定科目はこちら。具体例も載せておこう。

売上 ASPからの報酬
雑収入 中古のパソコンやモニターを売ったお金
交際費 他のアフィリエイターとの情報交換で使った飲食費
外注費 ランサーズやクラウドワークスに払ったお金
消耗品費 10万円以下のパソコン、ファイル、その他事務用品
新聞図書費 アフィリエイトや経済全般の書籍代
研修費 塾や個人コンサルの費用
地代家賃 仕事場としても使ってる物件の家賃
通信費 スマホ料金、ドメイン・サーバー代
機械装置 10万円以上のパソコン

ざっとこんなところ(事業主貸と事業主借についてはあとで)。

それほど難しい部分はない。ドメインやサーバー代が「通信費」というのがちょっと違和感があったりするが、別に大丈夫だ。

実は、勘定科目というのはそんなに厳密に考える必要はない。これはちゃんとした本にもそう書いてあった。法律で決まってるわけじゃないから、「まあ、これだよな」という勘定科目を選んでおけばいい。

なお、それでも厳密にやりたい場合は、自分で新しい勘定科目を作ることもできる。「ドメイン・サーバー代」というのを作ってそれで登録するのもいい。

パソコン代金を按分するやり方

ここでひとつ、ケース・スタディ。プライベートでも仕事でも使うパソコンを購入した場合、どういうふうに取引を登録したらいいのだろうか? 実際、去年はiMacを19万円ほどで購入したので、これを見ていこう。

まずは支出として、勘定科目は「機械装置」で登録。値段が10万円以下なら「消耗品費」だが、それ以上なのでこうする。

次に、固定資産台帳という部分で、パソコンを登録する。

これはもう登録したあとの情報だが、こうなる。

ちょっと解説しよう。購入した値段は189,864円。私はこれの事業専用割合を80%とした。で、耐用年数は国が定めている通りに4年。償却方法は毎年同じ金額を償却(経費とすること)していく定額法。

これでオーケー。購入費用の80%が経費となり、それが4年間かけて減価償却されていく。つまり、ちょっとずつ経費として参入されるようになる。

事業主借・事業主貸って何?

今回はじめて確定申告をやってみて、帳簿付けでいちばん迷ったのはこれだ。事業主借と事業主貸ってやつ。

意味は、「に」を入れればわかる。事業主借は「事業主に借りたお金」で、事業主貸は「事業主に貸したお金」。事業主というのは、あなたのことだ。

「自分で自分にお金を貸し借りなんてしないぜ?」

頭にハテナ

たしかにそうだ。けど、帳簿というのはどうやら、個人とビジネスをわけて考えるという建前があるらしい。

たとえば、個人としての自分のポケットマネーから、ビジネスで使うお金5万円を出したとする。これは、事業主である自分から、商売の方へ5万円移したことになる。これは事業主借である。まあ、わかりにくいと思うけども。

別のたとえを出そう。アフィリエイト収入で10万円入ったとする。ここから5万円を生活費として引き出したとする。これは、事業主貸である。「事業主に生活費として5万円貸した」ということになる。

というわけで、これがなかなか厄介。

私の場合、ゆうちょにA8.netから報酬が振り込まれ、それを現金で引き出し、いくらか手元に残したあと、三菱東京UFJ銀行の口座に入れるということを繰り返していた。まんま振り込んでいればよかったのだが、中途半端に抜いていたのだ。

で、ゆうちょから下ろしたのを「事業主貸」、UFJに入れたのを「事業主借」としてfreeeに登録していた。なので、どちらも蓄積してかなり大きな額になってしまった。なんだか不自然な感じになったが、致し方ない。

ここは「これでいいのか?」と思うところだが、まあ、十中八九、事業主貸・借が大きくなっても、税務署に見咎められることはない。なぜなら、事業主貸・借は所得税の課税額に影響しないからである。

であれば、別に税務署もそんなに厳密にはチェックしないはず。事実、この項目は確定申告書にはまったく影響しないし、決算書の中でも、貸借対照表にしか反映されない。割とどうでもいい項目のようである。

青色申告決算書とは?

いま、決算書と書いたが、正確には青色申告決算書という。この中身が何かというと、次の4つである。

損益計算書 売上と経費の内訳を書いたもの
損益の内訳の記入書(×2) 月別の売上や給料賃金を書いたものと、減価償却の計算や家賃の内訳を書いたもの
貸借対照表 期首と期末の資産および負債をまとめたもの

つまりは、確定申告の中身、帳簿の詳しい内容までを記載した書類ということだ。これを見ると、収入の細かい内訳だとか、資産や負債の状況などがわかるというわけ。

こういう詳細な書類まで提出すると、「よくやった。おめでとう」ということで、税務署から特別控除65万円を認めてもらえて、税金が安く済むのである。

おまけに、これらの書類は取引の仕訳作業さえきちんとやっておけば、freeeが自動で作成してくれる。

帳簿・会計は曖昧領域が多い

さて、いろいろ書いてきたが、ひとつお伝えしたい。それは、帳簿のつけ方や会計というのは、かなり曖昧な部分が多いということだ。素人目線で「これどうすればいいの?」と思って答えを調べていくと、確たるアンサーがなかったりする。

たとえば、家賃の按分をどうすべきか、という問題。これも、ケース・バイ・ケースで判断するしかない。「常にアフィリのことは考えてるし、寝てる時間だって仕事のうちだ」と考えれば家賃を100%経費にもできそうだが、これは通じない。そこは、「世間一般の人がどう考えるか」と想像しないといけない。

目安とか相場みたいなものがあればいいのだが、どうもそういうものも見当たらず……自分で判断するしかないようだ。

事業主借・事業主貸も難しい。個人事業主の場合、事業とプライベートのお金なんてもういっしょくたになってるわけで、厳密に分けることなんぞできない。なので、ぶっちゃけた話、私はこの事業主貸と事業主借をかなり帳尻合わせに使った。

まあ、これはポピュラーな方法のようだし、別にそれでよさそうなのだが。帳簿は厳密にやろうと思えばキリがない。ある程度のところでヨシとしよう。

まとめ

アフィリエイトの帳簿付け、確定申告については、まだまだ情報が少ない。なので、これからやっていく人は苦労するだろう。会計ソフトを使えばだいぶ楽なのだが、それでも迷う局面はかなりでてくる。

一応確定申告を終えた私からアドバイスするとすれば、はやい段階で簿記の入門書を一冊読んでおくべし、ということだ。

「勘定科目」とか「事業主借」とか、こういう意味のわかりにくい言葉というのは、簿記のいちばん簡単な本を一冊読んでおけばだいたいわかるようになる。いちいち検索で調べるより、一冊読んでしまった方がはやい。

Freeeなど会計ソフトを使うとなると、簿記には手を触れなくてもよさそうだけれど、いっそもう一冊くらいは本を読んだ方が手っ取り早いと思う。

では、帳簿付けの仕方も(ある程度)マスターして、ひとつレベルが上のアフィリエイターをめざしていこう!