この6月から、アフィリエイトに関して医療広告ガイドラインというものが出てきた。厚生労働省からのお達しで、新しく厳しい規制が行われるようになったのだ。これでクリニック関係のアフィリエイトは格段にやりにくくなった。

去年はGoogleで健康アップデートというものがあり、サプリやクリニック系に影響が出たが、なんだかこの頃、いろんな変化がある。そこで、これから先、どういうことがアフィリエイト周辺に起こってくるのか、考えてみたい。

1:脱毛サロンの広告規制

今回、医療広告ガイドラインが出た背景には、医療事故やトラブルの発生があるだろう。脱毛でも、クリニックで火傷などの事故が増えたという記事を見たことがある。

事故やトラブルは、脱毛サロンでも起こっている。しかも、脱毛サロンは競争が過熱気味だ。店舗も乱立している。クリニックだけ規制がかかって、サロン・エステはまったく自由というわけにはいくまい。

いずれ、今回のガイドラインと同等か、これに近い規制が脱毛サロンにも行われるんじゃないかと思う。

そうなるとランキングサイト・口コミサイトなどは全滅で、価格訴求をしてたりするのもアウト。既存のアフィリエイト・サイトはほぼ壊滅状態か、大幅なリライトが要求されることになる。専門にやっている人にとっては天変地異みたいなものになるだろう。

2:根拠なきランキングの規制

知ってる人は知ってることだが、アフィリエイト・サイトの中には恣意的にランキングを作成しているものがある。人気や評価を客観的に測ったわけではなく、売れやすさや報酬単価などで、収益を最大化するようにランキングをいじっているサイトがかなりあるのだ。

しかも、これはアフィリエイターだけでなく、まあ、あまり多くは言わないが、他の関連する企業も容認していたり依頼していたりする場合がある。

これについてはたまにネット記事で問題になることもあるが、まだ大手メディアが大々的に取り上げるまでにはなっていない。が、炎上するのは時間の問題だろうし、いずれは厳しい規制が入りそうである。

3:ASP登録時の本人確認の厳格化

これは「起こりそう」というより、ぜひやってほしいことだ。現状、ASPへの登録は簡単にできすぎる。身分証明証の提出も求められないし、電話番号の確認もない。他人の名前をかたって登録することも、割と容易にできてしまう

この状態だと複数アカウントを作って不正もやれそうだし、暴力団が資金源稼ぎとして利用することもありえる。いまの状態が続くというのは、具合が悪いだろう。

4:被リンクのパワーの低下

これはGoogleのアルゴリズムに関することだが、被リンクの数や質でサイトの評価を上げるという基準は、優先度が下がっていくと思う。もともとコンテンツ重視になっているというし、感覚として、いいサイトだからリンクを送るというわけでもない気がする。

ただまあ、被リンクについては「もうだめ」と言われてから久しいようだが、まだ一定の効果はあるようだ。しばらくは自作自演の被リンクも、注意してやれば、効果があるのかもしれない。が、どうにも時限爆弾のような気がしてならない。

5:Google vs Amazonという対立構造の先鋭化

スマートスピーカーをめぐるいざこざで感じたが、GoogleとAmazonの対立が先鋭化しているように感じる。最近放送されたテレビCMでは、Amazonの検索窓で一般キーワードを入力し、商品購入をするという光景が映し出されていた。ということは、「欲しいものを自分の言葉で検索する」というステップを、AmazonはGoogleから奪おうとしている。囲い込もうとしている。

もしユーザーが「Googleでまず検索して情報を得て、AmazonがよさそうならAmazonで買う」ということをやめ、「Amazonで検索してAmazonで買う」になった場合、アフィリエイターはそこに介入できなくなってしまう。これは困る。

6:Amazonと楽天の口コミに規制

アフィリエイト・サイトでも、薬機法の規制が厳しくなっている。そこに抵触するような内容、口コミがあると、頻繁に修正依頼が来るようになった。

だが、Amazonと楽天の口コミ欄には薬機法に違反する書き込みがたくさん並んでいる。これは、正確に言えば口コミ・レビューの投稿者が薬機法を犯していることになるのだが、まさか知識のないレビュアーを罪に問うたり修正依頼をしたりということはないだろう。

となると、Amazonと楽天に対して、いわば管理者責任という形で、薬機法の規制が降りかかるに違いない。広告やアフィリエイト・サイトが厳しく規制されている中で、あれら大手通販サイトのレビューだけ野放しというわけにはいかないだろう。

7:口コミのリライトや引用についての法的議論

現在、アフィリエイトサイトにおける口コミの扱いは非常に曖昧だ。口コミをそのまま引用することはOKなのか、リライトして掲載したら著作権法に引っかからないのか、リライトと捏造は違うのか、そもそも口コミというテキストは著作権法に言う「著作物」に該当するのかしないのか。

今回の医療広告ガイドラインでは、医療機関の口コミは全面的に禁止された。健康や金融系など、生活に決定的影響を及ぼす可能性のある案件では、とりわけ口コミの扱いはデリケートになっていくだろう。それ以外の分野についても、口コミの扱いというのはいずれ本格的に議論されていくのではないか。

8:GoogleとAmazonに対する行政の介入

先日、検索やネット通販についても独占禁止法を適用してはどうか、という記事を見た。政府としては、独占・寡占が進んでいるネット通販とネット検索に対して、規制を加えようという考えらしい。

たしかに、ネットの世界では一部の企業が圧倒的な力を持っている。通販ではまだAmazonだけが一強というわけではなく、楽天もあったり個別の通販サイト・ページもがんばっているが、こと検索に関してはGoogleが独占に近い形になっている。「Yahoo!も並んでるだろ」と思う方もいるだろうが、日本のYahoo!の中身は実はGoogleである(だから検索結果に違いはほとんどない)。

実際、Googleは力を持ちすぎている。Googleがその気になれば、世論を誘導したり、政治に大きな影響を与えることだってできるだろう。この状況には、行政が危機感を持って介入してくる可能性はある(中国は最初からGoogleを嫌い、追い出してしまった)。

9:逆SEOの増加と罰則強化

ブラックSEOとは別に、逆SEOというものがある。これは、ライバルサイトに質の悪いリンクを送るなどして、相手の順位を押し下げたり圏外に飛ばすという手法である。相対的に自分のサイトを上げたいときに使われる手法だ。拙著『アフィリエイトに魅せられて』でも、個人情報の保護のためという形で、この話は少し書いた(そこではDDOS攻撃が使われていた)。

この手法がどのくらい使われているのかわからないが、順位1つの違いが数十万、数百万の違いになるようなビッグキーワード狙いなら、このやり方を使う人が増えても不思議ではない。ただ被リンクだけではなく、また別のやり方でライバルサイトを落とすというやり方は増えてきそうだ。

この手法は、リアルビジネスで言えばライバルの店に放火するようなものなので、いずれは法的な罰則が行われるようになるはずだ。

10:アフィリエイト塾・教材の一般化と相場下落

現在、アフィリエイトの塾は3ヶ月で20万とか30万くらいが一般的だ。教材はだいたい1万円から3万円ほど。コンテンツの内容としては市販の書籍1冊分くらいでも、情報商材(教材)という形だと単価が10倍くらいにハネ上がるのだ。

これは、値段が高すぎるということはないと思う。毎月数万から数十万、あるいはそれ以上を稼げるようになるなら、学費として20万30万は決して法外ではない。教材も同じだ。

しかし、そこそこ稼げる人が増えてきたら、ライバルの増加に伴ってそれらの相場は下がってくるのではないか。もし紙の本はKindle本のクオリティが上がってくれば、「情報商材なら数万円が当然」という共通認識は崩れていきそうである(そもそも書籍というものの値段が安すぎると思うのだが)。

また、アフィリエイトも教えられる人が増えれば、「3時間のコンサルで○万円」というのは不可能になり、時給3,000円の家庭教師みたいな形になっていくのではなかろうか。

最後に

今後、アフィリエイト周辺で起こりそうな変化を10個、思いつくままあげてみた。すぐに起こるのもあるだろうし、永遠に起こらないものもあるだろう。「何を見当違いなことを」という意見もあるかもしれない。

ともあれ、アフィリエイトの世界はどんどん変化している。万物は流転するのだから、アフィリも流転する。こうして変化にも対応しつつ、長く稼ぎ続けていける力を持ちたい。