岩崎夏海クリエイター塾の5期、その第2回に参加してきた。そのまとめと感想を記しておこう。

会場の雰囲気や参加人数など

前回、1回目の感想のときは書かなかったので、ここで会場と参加者について書いておく。場所は渋谷、JRの駅から徒歩15分ほどのところにある貸し会議室だ。3階にある部屋でやっている。時間は土曜日の午後3時15分から。

参加者は10人ちょっと。前回はたしかちょうど10人だったと思うが、今回は8人くらいだった。参加者は一人だけ女性であとは男性。職業はバラバラである。「クリエイター塾」だが、クリエイションをしている人もいれば、そうでない人もいる。

塾は、前半1時間で岩崎先生のお話、後半1時間半ほどで参加者の発表という形であった。おそらく、この時間配分で次回からも進行していくのだろう。

物事を俯瞰することが大事

今回の授業でキモとなったのは、物事を俯瞰で捉える大切さだ。体系的に学ぶことで、能力を伸ばすことができるということである。ここが、有能と無能とをわける境となる。

一度、何かを体系的に学べば、大きな山を登る経験をしておけば、それは他ジャンルでも活かすことができる。例として出されたのはドラッカーのことで、彼は年の一度、何か新しいことを学んでいたのだという。かなり後年になってからはシェイクスピアを学んでいたのだとか。

ただし、これは「物事を極めるべし」ということではない。むしろ、8割で留めておくことがポイント。完璧に、専門家レベルで極めようとすると難しいし時間がかかりすぎるので、8割程度にしておくのがいいそうだ。たしかに、普通の人に比べて「かなり詳しい」くらいなら、1年か、あるいは半年程度でも到達できる。

というわけで、岩崎氏が推奨するのは、半年に一つ、新しいものを学ぶということ。

その際、何を選ぶべきかといえば、まずは好きなものをやるのがいいとのこと。嫌いなものは続かないから。

私の場合は何がいいかと受講中にも考えていたのだが、この塾の課題としても出されるし、映画がいいんじゃないかと思った。あるいは、映画の歴史について。今はアフィリエイト中心だから半年で8割は難しいかもしれないが、1年くらいかけて映画のことを学ぶといいかもしれない。

現在、私は映画についてあまりに無知だ。見てはいるけれど、歴史とか、撮影技法とか、演技のこととか、からっきしわからない。まずは入門書的なものを読んでみようと思う。

映画のカット割と夢

ユゴーの『ノートルダム・ド・パリ』の話が出た。この作品の中には、まるで映画のような描写が頻出するのだそうだ。ユゴーは19世紀の人で、当時、まだ映画は発明されていなかった。なのに、ユゴーは映画的な表現をしていたという。

なぜ、映画の影響を受けていなかったはずのユゴーに、そんなことができたのか?

答えは、「夢」である。岩崎氏のいつかのブロマガでも書かれていたが、そもそも映画というのは夢がもとになっている。夢では、カットは頻繁に変わる。映画はそれを真似ているのだ。だから、ユゴーが夢を下敷きに作品を書けば、それは映画的な描写となる。源流は夢なのだ。

映画には「夢的なもの」があるといい。人の心を惹きつけるものとなる。どうやら、そういう法則がある。この話もたびたびブロマガで読んだことだ。映画『ハードマン』では裸になるシーン、空を飛ぶシーンが出てくるが、それも夢をもとにしているということだった。

私も、夢をもとにした小説を書いたことがある。ほぼ全編、ある一夜に見た夢をもとにした作品を書いた。だが、自分では面白いと思ったが、新人賞には落ちたし、まあ、それほど成功しているとは言い難い。ただ夢を真似ればいいってものでもないのだろう。

けれど、夢に材を求めるという発想自体は間違っていないようだ。

映画『ノーカントリー』の解釈を発表

後半では塾生全員がそれぞれ映画を見ての解釈を発表した。私は課題であった『ノーカントリー』について、とりわけメインとなる登場人物・シガーのキャラクターについて考えたことを発表した。

ポイントは、シガーが一見不条理で暴力的に見えつつ、実は「ルール遵守」と「徹底した合理主義」という側面を持っているということ。さまざまなシーンからそれがうかがえたので、根拠を述べつつこれについてしゃべった。ついでに、哲学のことも交えて。

この解釈は岩崎先生の賛同を得られた(と思う)。だが、驚いたのは、そのあとの講評でさらにその一歩も二歩も先のことを指摘されたことだ。私はそのキャラクター造形について述べただけだったのだが、先生の解釈・分析はもっとはるかに進んでいて、私にとっては目から鱗のことばかり。

もう5回くらい見ているのに、次々に気づいていなかった解釈を開陳され、力量の違いを見せつけられた恰好であった。

また、他の塾生の解釈もさまざまで、時代背景を考慮したものから、ルウェリンというキャラクターの違った見方、語学学習と絡めたコンテンツのレイヤー、会話シーンにおける肩越しのショットの意味などについて指摘がなされた。

次回の課題は映画『犬ヶ島』

次回の課題は、現在劇場公開中の映画『犬ヶ島』を見て、そこから元ネタを発見してくるというもの。この映画は主に黒澤明作品へのオマージュが多いらしく、課題として次の黒澤映画を見てくることも課題とされた。

  • 野良犬
  • 七人の侍
  • 用心棒
  • 椿三十郎
  • 天国と地獄
  • 赤ひげ
  • 隠し砦の三悪人

ここまでがマスト。できれば見ておくべき映画は……

  • 羅生門
  • どん底
  • 悪い奴ほどよく眠る
  • 生きる
  • 蜘蛛巣城

というわけで、かなり多い。週に2本は見ないと追いつかない。

これまで黒澤作品はなんとなく食わず嫌いで避けてきたのだけど、この機会にがっつり見てみようと思う。これから1ヶ月は完全に黒澤映画月間だ。

まとめ

今回ははじめて課題映画について発表するということで、不安もあったし、緊張もした。だが、だいたいの雰囲気がわかった。次からはもうすこしリラックスして発表できるだろう、たぶん。まずは映画の歴史についての本を何冊か買って読み、黒澤映画をAmazon Prime Videoで見ていこうと思う。