岩崎夏海という人物をご存知だろうか? もっともわかりやすい説明は、あの大ベストセラー『もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)』の作者だということだろう。また、秋元康の放送作家としての弟子でもある。現在は源氏山楼と岩崎書店の社長も勤めている。

そんな岩崎夏海氏がこんど開催するクリエイター塾というものに、私は参加することにした。この塾について、そして岩崎夏海氏について書いておきたい。

岩崎夏海とはどんな人物か?

岩崎夏海氏は現在49歳、最近は主に岩崎書店の社長として絵本の編集などを行なっている。と同時に、ニコニコ動画のブロマガを発行しており、平日毎日2,000字前後のメルマガを書き、月に1、2回の生放送を行なっている。

もう、いつからだろう。私はこの岩崎氏に心酔している。いま調べたら、どうやら2013年の秋くらいから、私は岩崎氏のブロマガを耽読している。4年以上になる。

いま、岩崎夏海がどんな人物かを簡単に説明しようと思ってキーボードを叩いているのだが、これがなかなか難しい。ものすごく、多くの側面があるからだ。箇条書きでやってみよう。

  • 小説家
  • 映像研究家(映画監督)
  • 出版社社長
  • 絵本編集者
  • 予言者、あるいはシャーマン的な能力

書いてる自分でも、なんだかよくわからない。

共通しているのは、「世の中の本質を抉り出し、コンテンツ制作に生かす能力」ということだろうか。これを持っているひとだ。個人や集団が持っている欲望や価値観という無意識レベルのものを取り出し、それを教えてくれるのだ。だから、そういう意味で「現代のシャーマン」とでもいうべき人物である。

なお、「予言者」とも書いたが、この4年のあいだにも、岩崎氏の予言はいくつも的中している。だいぶはやい段階からトランプの大統領選勝利を予言していたし、めちゃイケの制作スタンスがおかしくなってることも数年前から予言していた。具体名は伏せるが、当時輝いていた数名の人物の没落も的中させた。いま現在脚光を浴びまくっているとあるアスリートの没落も予言しているが、これもきっと当たるだろう。

この予言の的中というのも、世の中の本質、人間の本質がわかっているからこそなのだろう。

岩崎夏海クリエイター塾とは?

今回、私が参加することにした岩崎夏海クリエイター塾は、もうだいぶ前から開催されていた。1期から4期まで、すでに行われていた。今回はかなり間を開けての5期となる。では、ここで何を教えてもらえるのか?

「クリエイター塾」とあるから、これは「小説講座」でもないし「映画批評講座」でもない。クリエイション全般に関わるものである。つまり、「ひとは何を面白いと思うか?」を教えてくれるらしい。言い換えるなら、コンテンツに関するマーケティングである。

「マーケティング」と言ってしまうと、なんだか経営とか経済の話のようだが、そうではなさそうだ。もっと人間の心の機微に触れるものになるはずだ。なぜ、コンテンツのこの部分を、人間は面白いと思うのか? その根っこには何があるのか? そんなことが学べるはずだ。

具体的には、映画を見て、それに対する批評だったり分析を塾生が発表する。で、おそらく質疑応答などがある。と、こんな具合になるみたいである。

私はこの塾で何を学びたいのか?

私は小説を書いているが、よく不安になる。それは、「自分は自分の作品を面白いと思うけれど、他の人から見て本当に面白いのか」という問題である。

自分では、超絶面白いと思って書いている。が、他人からしたら何も面白くない可能性もある。だとしたら、悲しい。いくら技術を磨いたところで、方向性が間違っていたら何にもならない。

なので、「面白さ」について、もっと学びたい。すぐれたコンテンツの、どこが、どのように、面白いのか。それを見極める目を養いたいのだ。

岩崎氏は、面白さに関する相対主義を否定している。「何を面白いと感じるかは人それぞれ、好みによる」という考え方を否定している。面白いものは面白いし、だめなものはだめなのだ。そして、面白いものを面白いと受け取るには、受け取る側の能力が必要になる。

たとえば私は、25歳くらいのとき、ガルシア・マルケルの『百年の孤独』を読んで、まったく面白いと思えなかった。100ページも読まずに挫折した。が、30歳を少しすぎたときに読んだら、めちゃくちゃ面白かった。これはもちろん、小説自体が変化したわけはないのだから、私の、受け取り手としての力量がアップしたということだ。

このときの変化は単に人生経験の蓄積によるものか、あるいは岩崎氏のブロマガを読んでいたおかげかよくわからないが、こういうレベルアップを、クリエイター塾で達成したい。

終わりに

岩崎夏海氏は現在のニコニコでブロマガを発行している。このボリュームとクオリティはえげつない。平日に毎日、濃い内容の2,000字のテキストが送られてくるのだ。正直、これを購読しはじめてしまうと、他の人のメルマガがただのスパムにしか思えなくなる。これが月額864円。これほどお買い得なものはない。

岩崎夏海のブロマガ:ハックルベリーに会いに行く

ハックルTV(YouTubeチャンネル)