アフィリエイトを始めて数ヶ月、月に10万円ほど振り込まれるようになった頃からずっと気になっていたことがある。それは、開業届の提出だ。一応個人でビジネスを始めたわけだから、開業届は出すべきなんだろうと思っていた。

結局、実質的な開業から丸一年以上が経ってしまったわけだが、ようやく提出を済ませたので、その顛末をお伝えしよう。この手記を読み進めるにつれ、きっとあなたはこう思うはずだ。「要領わぃりな!」と……。

アフィリエイターも開業届を出すべし

開業届とは何か。これは、「ビジネスを始めましたよ」ということを役所に通知するものだ。会社を作るとか法人を設立するというわけではなく、とても簡易なものである。アフィリエイトで多少稼げるようになったのなら、出した方がいい。

というのも、この開業届を「所得税の青色申告承認申請書」といっしょに出しておくと、あとあと確定申告のときに白色ではなく青色申告ができ、最高で65万円の所得控除を受けることができる。まあ、これがどういうことかはまだ理解できていないが、とにかく「出しておくと得」ということだ。

開業届の書き方

これは最初、多いに悩むところだが、そう難しいことはない。というか、とっても簡単。まずは書式をお見せしよう。

開業届

見ていただければだいたいわかると思うが、ポイントだけ説明する。

1)納税地

いま住んでいる住所を書く。電話番号は携帯のものを書いたが、それでOKだった。

2)職業

私は「Webサイト運営業」と書いた。「アフィリエイター」でも通ったという話を小耳に挟んだので、それでもいいのだろう。

3)屋号

これは最初、いろいろ考えたのだが、空欄で出した。それで問題ない。

4)開業・廃業等日

本当はアフィリエイトは昨年から始めていたが、割と勝手に決めていいらしい。私は引っ越しをした先月の日付にしておいた。

5)事業の概要

ご覧のとおり、幅広い範囲を含むような書き方にしてみた。だが、ここもそんなに難しく考える必要はない。

開業届はどこに出せばいい? 3つの候補

さて、ここからはドキュメント風に書き進めていこう。

「開業届を出そう」と思ったとき、まずどこに出せばいいかがわからなかった。本屋で買った『オールカラー 個人事業の始め方』(西東社・中野裕哲)によれば、税務署とは別に都道府県・市区町村の税務課にも開業届を出す必要があると書かれていた。

なので、どっちにも別に出す必要があるのかと迷って調べたが、よくわからない。なので、横浜市青葉区の税務課市民税担当に電話で聞いてみると「緑税務署に提出すればそれだけでいい」とのことだった。

なんだ、簡単じゃん。

というわけで、これでちょっと安心し、緑税務署に向かうことにした。

開業届の用紙はどれを使う?

だが、ここからの顛末を語る前に、開業届の用紙についてお伝えしておきたい。これがわかりにくい。

ネットで検索すると、2つの異なる開業届のフォーマットがヒットしてしまう。

国税庁
個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)(PDF/364KB)

神奈川県
個人事業開業・休業・廃業届出書

私はとりあえず、上の税務署用のフォーマットを書いた。が、結論から言えば、どちらも事前に書いておく必要はなかった

役所に行けば複写式の用紙があるし、それで控えももらえる。書く内容は上で紹介した通りとても簡単なので、印鑑を持参し、マイナンバーだけわかるようにして行けば、何の問題もない。

というわけで、これから開業届を出す人は「用紙は役所でもらえばいい」と思っておけばいい。

緑税務署へ出発するも間違えて……

一応、税務署用の用紙に必要事項を書いて、私は緑税務署へ向かった。横浜市青葉区在住の場合は、この税務署が管轄なのだ。家を出て、街路樹から落ちた枯葉を踏みながら、住宅街の坂道をくだっていく。

青葉区

やがて川を一つ渡り、微妙なグリーンの青葉区役所を通り過ぎ、目的の場所にたどり着いた。事前にGoogleマップで調べたら、青葉区役所から南にちょっと歩くてと緑税務署があるとわかっていたので、「おお、ここだ」と思った。

その役所というのがこれだ。

県税事務所

私はここが「緑税務署」だと思って入った。

入り口は電気も点いておらず、非常にひっそりとしている。人の出入りもほとんどない。休業かと思って、一瞬エントランスの前で立ち止まってしまった。それくらい静かだった。ドアを開けて入ったそこは、一般的な墓地で計ったデシベル値を下回るほどの静寂。

ただ、中に入るとなかなか広い空間が広がり、事務机があって、そこに人間たちがいた。生きた人間たちだ。よかった。廃墟でも室内墓地でもなかったんだと安堵し、3番目の窓口へ行く。そこで50代と思しき男性が対応してくれた。

私が「開業届を出したいのですが」と、事前に書いてきた用紙を見せると、男性は言った。

「あ、これは税務署用のフォーマットですね。こちらは緑税務署に出していただくものなんです」

おや、と私は思った。ここがその緑税務署のはずではないか? なんだ、奇妙な世界に入ったのか?

だが、すでにお気づきと思うが、この場所は「緑税務署」ではなく、「緑県税事務所」だった。名前も似てるし、近い場所にあったので間違えたのだ。

しかし、話を聞いていくとここでも開業届は出せるということだったので、その場で複写式の用紙をもらって書いた。やはり簡単で、これはすぐに済み、提出を済ませた。だが、

「青色申告の申請書は緑税務署に出していただくことになるので」

とおじさんが言う。そうか、そっちは税務署に出す必要があるのかと納得し、私はその場をあとにした。

今度こそ緑税務署を訪ねる

仄暗い緑県税事務所を出て、私はさらに南へ向かった。徒歩3分、今度こそ緑税務署に到着した。

緑税務署

こちらはエントランスが明るく、多少、ひとの出入りもあった。

入っていくと、総合受付みたいなものがあり、そこで50前後くらいの女性が対応してくれた。まずは青色申告の承認申請書を出す。すると、

「開業届の方は出されます?」

と言うので、私はつい先ほど県税事務所で提出した旨を伝えた。すると、

「税務署には別で必要なんですよ」

とのこと。だが、さっき書いたものは複写式になっていたし、このとき私は「一箇所で出せば他にも自動的に行く」と思い込んでいたので、そのように伝えた。すると女性は「そうなんですね」という感じで済まし、青色申告の申請書だけを受け取った。

それで終了となったわけだ。

よし、これで開業届に関する書類提出は終了。そう思い、私は緑税務署をあとにした。あっけないものだった。

不安と確認、もう1つの開業届提出

このあと私は元来た道を戻り、そのまま帰宅しようと思っていた。帰ってホットケーキでも焼いて食べようと思っていた。だが、歩いているうちにふと、一つの疑問が頭をもたげて来た。

「最初に緑税務署で開業届を出せば一箇所でいいと聞いたが、先に県税事務所に出したら、本当にそれだけでいいのか?」

このへん、ちょっと曖昧だった。なので、帰路、最初に訪れた県税事務所をもう一度訪ねて確認することにした。さいわい、その事務所はまだそこに存在しており、中へ入っていくと、先ほどの男性もまだそこにいた。声をかける。

「すみません。ちょっと確認不足だったんですが、税務署の方にも別で開業届を出す必要があるんでしたっけ?」

なんかアホな、鈍臭いことを言っていると思ったが、男性は「そうなんです。税務署の方にも開業届が必要なんです」とのこと。確認しておいてよかった。このまま帰宅してしまったら、実に中途半端なことになっていた。

なので、再度、緑税務署へ戻り、また同じ50前後らしき女性に開業届を提出。

「やっぱり確認してみたら、こっちにも開業届を出す必要があるみたいで」

などとモゴモゴ言っていると、「ほら、だから言ったでしょ?」という感じで受付終了。

「最初にこちらだけに出してくれれば、自動で県税事務所の方にも書類が行ったんですよ」

とのことだった。やはり、最初に区役所に電話で訪ねたときに言われたことは本当だったようだ。

県税事務所に間違えて入らないこと

このようにな二度手間、あるいは白昼の放浪を経験しないためには、最初からちゃんと税務署に行くことが肝心だ。名前が似ている、場所が近いからといって、県税事務所に入ってはいけない。自治体管轄のところと税務署は別なのだ。

青葉区の役所地図

 

まあ、最初に県税事務所に行ったとき、「税務署でまとめて提出した方が楽ですよ」と教えて欲しかったような気もするが……。

なお、「開業届は税務署で出すだけでいい」というのはあくまで私の居住地、横浜市青葉区のケースなので、他の場所でもそうなのかはわからない。私は不要な二度手間をしてしまったが、地域によってはそもそも二度手間が必要なケースもあるかもしれないので、そこは役所に電話して確認しよう。

帰路の反省

とにかく、これで開業届の提出は完了した。無駄な労力はちょっと使ったが、これで開業はできたのだ。

帰り道、学校帰りの中学生や高校生がたくさん歩いていた。もう下校時刻なのだ。思えば、学生のあいだはこういった役所関係の雑事とは関わる必要がなかった。が、これからは違う。めんどくさくても、よくわからなくても、ちゃんとやっていかないといけない。

そう、この先、開業届の提出どころではない、確定申告という厄介なものが待っている! それについては、また顛末をお伝えすることにしよう。

開業届に関する3つのアドバイス

これから開業届を出そうとしている人に、アドバイスを3つお知らせしたい。

1)職業と事業内容だけ考えておけば、用紙を用意する必要はない

開業届はとっても簡単なものだし、厳しいチェックもないので、職業と事業内容だけ考えておけば、あとは役所に行ったときに職員に質問しながら書けばいい。むしろ、事前に用意しようとするとどのフォーマットを使うべきか迷うのでおすすめしない。

2)提出先は地区町村の役所などに問い合わせるべし

開業届の提出先は、私は管轄の税務署だけで(本来は)よかった。だが、この情報はなんとネットで検索してもわからなかった。提出先については最初から役所に電話して聞いてしまうとはやい。

3)税務署と県税事務所を間違えない

繰り返しになるが、税務署と県税事務所を間違えないことだ。