私はとにかく、めんどくさいことが嫌いだ。根性がない。根性がないっていうか、根性を出したくない。意志力を使いたくない。根っから怠惰な人間である。

だったら、怠惰なままでどうやって成功を勝ち取ればいいのだろう? それを考えよう。

数学と運動

私は数学が好きだった。数学は正確さがすべての世界で、曖昧性がすべて排除されていて、神秘的で美しい。

と同時に、数学はきわめて効率的だ。根性論を押し付けることがない。繰り返しの足し算が面倒なら掛け算があり、乗数がある。二次方程式には公式があり、他にも、計算や論理を短縮するための仕組みがたくさんある。

根性で効率の悪いことをやっても、それはまったく評価には繋がらない。

一方、運動部のありようは嫌いだった。ひたすらグラウンドを走ったり、よく分からない練習をやらされたり、感情が渦巻き、評価の基準は曖昧で、効率性の追求はカケラも感じられない。

私は根性を出すのが嫌いで、効率的にやるのが好きだった。面倒なことはごめんだ。

意志力は使いたくない

無駄に体を動かすのは嫌いだし、意志力もあまり使いたくない。「やるぞ!」と思いたくない。気合いを入れて何かをやる、というのがいやだ。

というのも、「意志の力は消耗する」ということが経験的にわかってきたからだ。気合いを入れて何かをやると、それでエネルギーを使ってしまい、他のことができなくなってしまうのだ。体力と同じように、意志力も、使うと減る。

たとえば、昨日は美容院に行った。まったく初めての美容院に行った。これだけのことでも、ある程度の意志力を使ってしまった。知らない美容院に行くというのは、緊張もするし受け取る情報も多い。だから、消耗する。

場合によっては、気合いを入れて何かに取り組むこともある。しかし、無理に自分を奮い立たせようとすると、あまりうまくいかない。「やらなきゃ」と思っていると、だめだ。私の場合は本当に怠惰なので、「やらなきゃ」ぐらいのことだと、結局、放ったらかしで全然やらなかったりする。

義務感や焦燥感に迫られて物事に取り組むなんてことは、もう二度とやりたくない。

環境整備と自己制御

「じゃあ、何もやらずダラダラと一生を過ごすのかい?」

と言われれば、そういうことではない。意志力をほぼ使わずに、怠惰を脱却し、成功を得る方法があるはずだ。まどろっこしい計算過程を省略してくれるような工夫があるはずである。

その第一のものが環境整備である。これは多くの人が言っている。環境が人を変える。人生は環境によって決まる。だから、まずは環境を整えることが肝要だ。

物理的な環境はだいぶいい感じだし、これ以上は引っ越しをしないと難しいが、もう少し抽象的な環境なら変えられる。たとえばブラウザのお気に入りを整理するとか、新しい人と出会うとか、ちょっとした工夫はまだやれる余地がある。

それから、自己制御だ。

こういうと、さっきの意志力のことを連想してしまう人もいるかもしれない。自分を律するとか、怠惰な自分を戒めるとか、そういうイメージになりがちだ。けど、そういうことではない。

たとえば、目の前に肉汁の滴るステーキを置いて、ぐうぐうお腹を鳴らしながら匂いを嗅ぐ。その状態で食べるのを我慢するとする。「だめだ。ダイエット中だし、絶対に食べちゃだめだ!」と自分の欲望を押さえ込んで我慢する。これは地獄だ。一時我慢できたとしても、この我慢によって相当な意志力が消耗する。

だったら、まずそもそもステーキが目に入らないようにすればいいし、できるだけ空腹にならないように何か食べておけばいい。飢餓感や物足りない感じにならないよう、普段の食事はちょっといいものを食べて、精神的な満足感をあげておけばいい。

ちょっとした工夫で、無理な我慢をしなくていいようにする。これが絶対に必要だ。

ポジティブな言葉

人間は、目にする言葉や耳にする言葉にかなり影響される。これは想像以上に効果が大きいらしく、実験でも証明されている。だから、なるべくポジティブな言葉に接するようにしたい。

まずはネガティブな発言をする人とあまり接しないことだ。ニュースやドキュメンタリーも、ネガティブな情動を引き起こすものが多いから、あまり見ない方がいいかもしれない。

ただ、私は表面的にポジティブな言葉があまり好きではない。ネガティブではないのだけれど、冷静に現実を見つめるのが好きだ。「身もふたもない現実」を突きつけられるのが快感だったりする。

ポジティブな言葉は基本的にはいいものだが、過剰摂取すると悪影響もある。あまりに現実から乖離してしまうと、お花畑になってしまう。頭がディズニーランドになってしまう。ほどほどにした方がいいのかもしれない。

ネガティブな言葉を避ける必要はあるが、ポジティブ中毒にもなりたくないし、なれない。ここはちょっと、世に言う一般的な成功法則には従えないところだ。

物語の主人公になる

人間は常に物語を必要としている。これはあまり常識になっていないが、事実だ。小説や映画といった作品もそうだし、自分が持っているセルフイメージも一種の物語で、それがないと非常に生きづらい。「悲劇のヒロインぶっている」という表現があるが、それもある種、苦しみに耐えるための賢い工夫だとも言える。

成功するには、自分をヒーローだと思えばいい。出世物語の主人公になりきればいい。

「何をやってもだめ」「自分はこんなもんだ」という思い込みを、「コツさえ掴めば飛躍的に成功できる」「本気を出せばこんなもんじゃない」に切り替える。これでだいぶ成功へ近づけるだろう。

狂気に踏み込む

圧倒的な結果を出すためにもっとも効果的な方法、それはおそらく、狂気の領域に踏み込むことだ。狂ったようにやる。なりふり構わずやる。目標以外のものをすべて捨てる。これがいちばん成果をあげる可能性が高そうである。

しかし、これは過去の人生でやったことがない。あまり突飛なことをすれば家族に止められるだろうし、何かしら害が発生する可能性もある。ある種の才能も必要になりそうだ。

けれど、多少の狂気を呼び込むという方法はやってみたい。

まとめ

根っから怠惰な自分がどうすれば物事にがっつり取り組み、成功できそうかを考えてみた。まずは環境を整え、自分を客観的にコントロールする。さらに、ポジティブな言葉に接して物語の主人公になりきり、狂気を取り入れること。

これだけできれば、かなり成功へ近づけるはずだ。意志力をなるべく使わずに。

根性を捨てよう。意志力、精神力は封印しよう。ただ自然に、なるがままで成功できる状態を作り上げよう。