古いものと新しいものがせめぎ合っています。新しい考え方や価値観が生まれている一方、戦前からあるような価値観、道徳、体制も根強く残っている。

はたして、私たちはどちらにつけばいいのでしょう? 最前の生き残り戦略とは?

今は古いものから新しいものへの過渡期

言うまでもありませんが、現在は古いものから新しいものへの過渡期です。古い考え、価値観、さまざまなシステムが衰退していき、代わりに新しいものが現れ、かつ、拡大しています。

この変化があまりに急速なので、今は親子間であっても、昔の200年分くらいのジェネレーションギャップがあるんじゃないかとよく思います。ほとんどもう、違う時代の人間が同じところに生活している状態に近いのではないか。

この急速な変化をはっきり自覚したのは2001年、私が高校一年生のときでした。とりわけアメリカの9.11テロの印象がつよく、ワールドトレードセンターが崩壊していくのをテレビで見たときから、変化のスピードが早くなったと感じています。

インターネットと携帯が一般に普及してきたのがこの時期ですので、やはりこの世紀の変わり目あたりで潮目が変わったのでしょう。

古いものと新しいものとは?

「古いもの」ということで私が想定しているのは、たとえばこんな価値観です。

  • 企業に就職して正社員として働くのが安定した人生である
  • 安定した人生を送る方が幸せである
  • 結婚して子供を作り、家庭を持つことが幸せである

あるいは社会システムでいえば小中学校の教育制度だとか、百貨店をはじめとした小売、行政機関のシステムもそうでしょう。

一方、新しいものは……

  • 組織に属さずに働くこともできる
  • 収入が安定しなくても、自由な時間を持つ方が幸せである
  • 結婚はしてもしなくてもよく、子供を作る必要もない

システムでいうとインターネットとそれに関連するさまざまなもの、ということになります。

ある部分では古いものが幅を利かせ、別のところでは新しいものが台頭している。世代間でバチバチと火花が散る場合もありますし、書店や百貨店vsアマゾンという形でリアル店舗とネット通販のせめぎ合いとなっているケースもあります。

古いものは明治維新か高度経済成長期あたりに生じたものが多いでしょう。一方、新しいもののほとんどはインターネットの普及に関係していそうです。

古いものを取るか新しいものを取るか

ここでひとつ、大きな問題が生じます。それは、生存戦略として古いものを取るべきか、新しいものを取るべきかということ。

たとえば古い体制や考え方に従うなら、いい高校大学を出て、大企業の正社員になるか、あるいは医者や弁護士といったステータスの高い仕事に就くことが最善策となるでしょう。なにしろ、これが安定していて、それゆえ幸福につながるからです。

一方、新しいものにシフトするという選択もある。学歴にこだわらず、組織への従属も度外視して、個人で稼ぐという方法もあります。あるいは極力生活コストを下げて、最低限の収入でほぼ隠居生活・ひきこもり生活をすることもできる。

今のところ、前者の戦略を採用している人が多い印象があります。

大学を卒業した人はおおむね企業へと就職しますし、正社員というステータスに価値を感じる人は少なくありません。

しかし、将来を考えたとき、はたしてどっちを選ぶのがいいのでしょうか?

旧戦略を選ぶメリットとデメリット

古い価値観や考え方にしたがって生きるとしたとき、どんなメリットとデメリットがあるでしょう?

第一のメリットとしては、とりあえずの安心感を得ることができる。これは非常に大きい。

現在、日本人の考え方や価値観は圧倒的に古いものがまだつよいので、そちらに合わせた方が安心できます。大企業の正社員になれば親や親戚などから褒められるでしょうし、とりあえず毎月の収入もコンスタントに入ってくるようになります。結婚で有利になるのは言うまでもありません。

では、何がデメリットになるのか?

古い体制や考えを引きずった組織に入ることで、将来的にリストラされたり、会社自体が倒産してしまうリスクがあります。さらに個人としての実力が育てられず、あとあと身動きが取れなくなるかもしれません。

あるいは、経済的には安定を享受しつづけられたとしても、新しいシステムや価値観が広まったとき、その「経済的安定」自体に価値がなくなる可能性もあります。そうなると、「安定してるから」という理由でその戦略を選んだ人は、「いったい何のためにこんなことをしてきたんだ?」と虚無感に襲われるでしょう。

ちなみに、死が迫った人に行ったとあるアンケートでは、最大の後悔として、「挑戦しなかったこと」を挙げた人が多いといいます。これは自身の死を目前にして「安定」が意味を失い、価値基準が変わったために起こる現象だと思います。

新戦略を選ぶメリットとデメリット

就職しない、結婚しないなど、新しい人生戦略を選んだ場合はどんなメリットとデメリットがあるでしょう?

デメリットはまず、世間から理解されにくく、不安定だと思われるので、本人の心理状態としても不安になりやすいということがあります。たとえば起業するとかフリーランスでやっていくとなると、収入は不安定。将来どうなるかもわかりません。

将来どうなるかわからないのは旧戦略の場合も同じなのですが、あちらは「安定している」というバイアスがかかっているので、新戦略の方が不利に見えます。

一方、メリットは?

新戦略を選んだ方が、将来的には有利になることが多いでしょう。古いものはおおむね衰退していく一方ですが、新しいものは世の中のスタンダードとなることもあります。

あるいは、自分の選んだ具体的な戦略がどこかで頓挫したとしても、「新しいものを選ぶ」というマインドがあれば、変化する世の中にキャッチアップしやすくなります。

古いものにアジャストするのには合理性がある

ネットビジネスをやっている人は、とかく新しいものが好きです。

「古い価値観など捨ててしまえ!」
「就職なんかしなくていい!」
「学歴なんかにこだわるな!」

などなど。

しかし、古いものに合わせて生きることにも、一定の合理性があります。

たとえば現在50歳以上で、正社員として働いている人。仕事もそうキツくなく、収入もある。こういう立場であれば、あえて新しい戦略を取ることはないでしょう。定年まで働き続け、そのあとは年金と貯蓄で暮らしていく方がいい。

新しい戦略を採用した若い人は、しばしば古い世代を批判しますが、しかし彼らには彼らなりの合理性があるのです。

下手に新しい価値観を内面化し、組織に縛られない働き方を選んでしまったら、世の中から浮いてしまって厳しい状況に陥るかもしれない。だったら、長いものに巻かれた方がいい。こう考えるのはきわめて自然です。

もしかしたら、いま現在ですら、古いものに適応した方が有利かもしれないと、そう思うこともあります。

その理由は……

変化のスピードは思ったより遅い

世の中はすごいスピードで変化していると言われますが、しかし私としては、「思ったより遅い」と感じています。案外、古いものはしぶとく残っている

私は3年ほど前に学習塾の講師をしていましたが、自分が中学生だったときと比べ、学習内容やその教え方があまりに変わっていなくて驚いたことがあります。

自分が中学生だったときと、講師をしていた時期、実に15年もの月日を隔てていたのですが、理科も数学もそのほかの科目も、ほとんど内容が同じでした。15年経って、ほぼ同じだったのです。

その15年のあいだに科学における新しい発見もあったでしょうし、教授法だってだいぶ進歩したはずです。それだけの期間があれば、英数国理社という分け方自体が変わっていてもおかしくないし、試験のやり方や質も変わっていてしかるべき。

ですが、ほとんど何も変わっていなかったのです。

あるいは、百貨店はもう20年くらい前から「この業態は終わった」と言われているようですが、まだ残っています。電子書籍が出現したのに、まだ紙に印刷した新聞や雑誌が売られていて、買う人がいます。

田舎の人の価値観はといえばもはや化石レベルで、おそらく半世紀前くらいで止まっています。

それくらい、変化のスピードというのは遅いのです。

なので、古いものにアジャストして生きるという戦略も、案外バカにしてはいけないと思うのです。

アフィリエイトを仕事にするのは正解か

アフィリエイトはまだまだ新しい仕事です。新しいがために、「仕事」として認知されてるかどうかも怪しいくらいです。

古い価値観に照らせば、アフィリエイトは「怪しい」ですし、何かずるいことをして稼いでいるようなイメージがあります。

仕事というのはスーツを着て会社へ行き、そこで上司や同僚と顔を合わせ、朝から夕方まで過ごすもの。こういう固定観念がありますから、いつ起きてもよく、一日中普段着でパソコンに向かうだけというのは仕事と見なされにくい。

これを仕事とすると社会的には評価されませんし、何より、自分が不安になってきます

私もそうなのですが、アフィリエイトだけで生活していると、「本当にこれでいいのか? 将来どうなるんだろう?」という不安が生じてきます。報酬がゼロになったり、アフィリエイトというもの自体がだめになったらどうしよう、と不安になります。

逆に、アフィリエイトをやるメリットもいろいろある。

自由な時間が確保できる。会社に頼らなくていい。平日と休日の区別はなくなる。自分の判断で行動できる。

それから、先ほどデメリットとして挙げた「不安になる」という部分。これは同時にメリットでもあると思います。

本来、今の状態であればどんな仕事も安定はしていないのです。正社員であっても、もっと不安になってしかるべきなのです。ですが、社会的に是認されているせいで、実際以上に安心してしまっている人が多いと思います。

百貨店やデパート、その他小売の業界にいる人は全員、Amazonの箱を見るたび動機に襲われてないとおかしいのに、平気な顔をして自分もAmazonで買い物とかしちゃってる。これは異常なことです。

その点、アフィリエイターは「将来どうなるかわからない」という正しい認識、正しい不安を感じられているので、まだマシです。

新旧対決の落とし穴は幸福論

古いものが勝つか、新しいものが勝つか。そりゃあ、いずれは新しいもののうちのどれが勝つに決まっています。

しかし、人間の寿命は有限。あなたの年齢によっては、古いものにしがみついた方が有利かもしれない。あるいは先が長かったとしても、選ぶものによっては失敗してしまうかもしれません。新しいものの中でも、成功と失敗は別れていきます。

ここでひとつキーとなるのは、おそらく幸福の扱いについてです。

たとえば正社員がいいかフリーランスや起業がいいかというのは、どちらかといえば損か得かの議論になっています。もっといえば収入面での有利不利に焦点が当たっています。

しかし、自分にとって幸福なのはどちらかと考えれば、損得を超えた見方が必要になるでしょう。あるいはそもそも、自分の幸福よりも別のものを優先する人にとっては、さらに広いパースペクティブが広がってくるはずです。

以前、「世界で最も貧しい大統領」としてウルグアイのホセ・ムヒカが日本で話題となったことがありました。彼は、日本人が幸福なのかどうかをかなり疑問視しておりましたが、その話は日本人の心に響きました。ということは、私たち自身が幸福についてかなり問題意識を持っているということでしょう。

自分にとっての幸福とは何か? どうなれば幸せなのか? そもそも幸福になりたいのか? この回答次第によって、取るべき戦略も変わってくるはず。

逆に言うと、これらに答えられない場合、つまり、幸福について自覚がない人の場合、正しい戦略を選べないということになります。選べないと、ほかの人の言説や流行に翻弄され、生き方が定まらないということになります。

まとめ

漠然としたまま書きはじめ、迷いながら書き、結局まとまらないまま終わりとなってしまいました。申し訳ありません。テーマが大きすぎました。

何が言いたいのかといえば、とにかく今は古いものと新しいものの過渡期。異なる新旧のものが混ざってて、古いものも残っていれば新しいものもある。その中で翻弄されてるし、迷っちゃうよね、ということです。

価値観や考え方はなかなか変わりませんが、じわじわと社会の一部で変化が起き、やがてそれが波及して、どこかで相転移が起こるかもしれない。そうなったら、なかなか楽しそうではありませんか。

10年後、20年後にどのくらい世の中が変わっているのか楽しみです。