今、YouTubeに注目が集まっています。

「いやいや、何を今さら……」

そんなため息も聞こえてきそうですが、今このタイミングで改めて脚光を浴びているのです。ということで、YouTubeに近い将来起こるであろう2つの変化について考えてみました。

これまでのYouTubeをおさらい

YouTubeに注目が集まり出したのはいつだったでしょうか。当初、「ようつべ」と呼ばれていた頃は微妙な動画サイトだと思われていて、コメントが流れるニコニコ動画の方が人気があったと記憶しています。

しかし、いつからかYouTubeが台頭し、むしろこちらの方が圧倒的人気を得るようになりました。

YouTuber(ユーチューバー)という言葉が生まれ、ヒカキンやはじめしゃちょーが注目されるようになると、もはや完全に時代はYouTubeに移りました。動画サイトとしてNo.1というだけでなく、娯楽の中でもトップクラスの存在にのし上がった。これが3、4年前です。

おそらく、もっとも大きな要因は小中高校生が普通にスマホを持つようになったことでしょう。

そこからは多くの人気YouTuberが生まれ、大きな事務所も設立され、テレビCMも打たれて、今ではだれもがYouTubeを日常的に見ています。YouTuberも「稼げる職業」として認知され、子供の憧れの仕事になりました。

現在のYouTubeはエンタメ全盛

さて、確認しておきたいのですが、いわゆるYouTuberと呼ばれる方たちは全員がエンターテイナーです。というより、「エンタメ系動画を手がけている」という要素がYouTuberという言葉のニュアンスの中には含まれています。

あまり意識されていないかもしれませんが、さまざまある動画の中で、エンタメ系ばかりが注目され、そこを主戦場とする動画作成者だけがYouTuberと呼ばれているのです。

ヒカキン、はじめしゃちょー、水溜りボンド、東海オンエア、ヒカル、ラファエル、シバターなどなど、有名どころはほとんど子供か若い人向けのエンターテイメント動画を作っており、それで人気を得ています。

何が言いたいのかというと、そういった「エンタメ動画」というのは、無数にある動画の中のたった一ジャンルでしかないということです。

ということはつまり、YouTube動画にはエンタメ系以外のジャンルもありうるということなのですが、その話に入る前にテキストの歴史を軽く振り返ってみようと思います。

かつて隆盛したテキストサイトたち

2000年か、あるいはもっと以前、テキストサイトというものが流行ったことがありました。

参考:【今更】あれだけ流行ったテキストサイトが何故廃れたのか考えてみる【考察】

テキストサイトとはただ単にテキスト(文章)で構成されたサイトという意味ではなく、ユニークで面白いテキストを提供していたサイトのことです。独特の切り口、クセのある文体で綴られるテキストサイトはインターネット黎明期に面白く読まれていました。

かく言う私も、2005年ごろにテキストサイトの面白さに魅了され、だいぶ遅まきながら、テキストサイトまがいのブログを運営していたことがあります。

しかし、その当時すでにテキストサイトはかなり衰退しており、mixiが一般化していくのに反比例して、テキストサイト文化はほぼ完全に終わってしまいました。私自身は今日までブログを続けてはいますが、当時相互リンクしたりオンラインでからんでいた人たちはほぼ全員、どこかへ消えてしまいました。

その後もブログや文章主体のウェブサイト自体は残っていますが、いわゆるテキストサイト的な要素は忘却の彼方に葬り去られ、役に立つ情報が主体となっています。そもそも文章の面白さ、ユニークさは需要すらなくなってしまったようで、そういう文章を書く人は目にする機会すらなくなっています。

エンタメ系の要素を持つテキストサイトは驚くほど短期間に消滅して、あとにはお役立ち系のサイトばかりになったのです。

お役立ち系YouTube動画はまだブルーオーシャン

YouTube動画の話に戻りましょう。YouTubeも現在はまだエンタメ全盛ですが、おそらく今後はお役立ち系が優位になっていくだろうと思います。

YouTuberたちの動画も続いていくでしょうけれど、すでにかなりレッドオーシャンとなっています。数も増えてきて、なんとなく行き詰まっている雰囲気を感じないでしょうか。

さらに、YouTuberの動画はエンタメとしてはやはり弱い。子供にとっては面白いでしょうが、大人からすると夢中になるようなものではありません。

エンタメ系YouTube動画がテキストサイトと同じくオワコン化するとまでは思いませんが、動画が一般化していくに連れて、お役立ち系の方が隆盛してくるような気がしています。

たとえば、私はコーヒーの淹れ方や灯油ポンプの使い方、各種アプリの操作方法などをYouTubeで調べたことがありますが、こういったものは動画との親和性が非常に高い。こういったものは、これまでは書籍やブログを参考にしていましたが、やはり映像で見た方が圧倒的にわかりやすく、これからは動画へと移行していくことでしょう。

YouTuberの動画が飽きられてきて、しかし一方でスマホの普及率がアップしていくにつれ、だんだんお役立ち系の動画が隆盛していくような気がしています。

そういったタイプの動画はまだまだ本気で取り組んでいる人が少なく、ブルーオーシャンではないでしょうか。

人は役に立つ情報を求めている

ここで根本的な話を持ち出しますと、人間というのはどちらかといえば、面白いものより役に立つものを求める傾向にあるようです。

私自身は面白いものの虜ですので、ちょっとここを見誤ることがあるのですが、いろんな場面で痛感します。役に立つものというのは強い。

たとえばお金の使い道について考えてみればわかりやすいかもしれません。あなたが日々使っているお金のうち、面白さへの出費と役に立つものへの出費、どちらが多いか。ゲームや映画、旅行やスポーツにもお金を使うでしょうが、それよりも家電や家具、さまざまな便利な道具に使うお金の方が多くを占めるのではないでしょうか。

役に立つ情報はだれにとっても必要ですし、需要が一定です。だから強いのです。

お役立ち系YouTubeに人気はいらない

さて、いまYouTuberとして人気を集めている人たちはそのほとんどにカリスマ性があり、強いキャラクターがあり、パフォーマンス能力があります。トークが上手く、リアクションが派手で、人を惹きつける魅力がある。

しかし、お役立ち系の動画を作るのであれば、そういったものはまったくと言っていいほど必要ありません。

テキストサイトの運営者が魅力的な文章を書いていたのに対し、いまのウェブサイト・ブログ運営者に文章そのものの魅力はほとんど皆無。それと同じように、お役立ち系動画でも、トーク力やキャラクター性はまったく必要ありません。

必要なのは、見やすい撮影と編集、わかりやすい説明、それから、最低限聞き取れるしゃべり方くらいでしょう。

というわけで、ここに勝機があるような気がしています。

私、清水 Airはカリスマ性がなく、トーク力もなく、魅力的なキャラクター性もなく、いろんな意味でパフォーマンス能力のない人間ですが、検索ユーザーがどんなお役立ち情報を求めているかは想像できるし、それについてわかりやすく解説することは可能です。

おそらく、ブロガーでもYouTuberでもなく、アフィリエイトをやっている方、やろうとしている方は、似たような傾向が強いのではないでしょうか。

でも、お役立ち系動画であれば、そういった方でも今後は……というか、現時点ですでに、YouTubeで稼ぐための条件が整っているように感じています。

YouTubeに起こりそうなもう一つの潮流

お役立ち系動画の隆盛。それと並行して起こりそうなのは、YouTubeのSNS化です。

現在、YouTubeというと個人が動画をアップロードしてそれを世界中が見られるという状態ですが、動画撮影が一般化してくればあらゆる人が個人のチャンネルを持つようになり、それがクローズドなグループを形成するようになるのではないでしょうか。

LINEにグループがあって、その中で活発にやり取りされているように、YouTube動画もそういったインナーサークルでの使い方が多くなっていきそうです。

当初、ホームページやブログは「個人対世界」でしたが、mixiやfacebookが出てきたことで「個人対仲間」にシフトしていきました。動画にも同じことが起こるのではないか。

テキストベースのメディアでも、初期の頃は「ブログを書くなんて怖い」「個人を特定されるんじゃないか」みたいな不安がありましたが、SNS化することでその抵抗感は急速に減っていきました。動画もチャンネルがグループ化してインナーサークルでの使われ方をしていけば、同じようなパラダイムシフトが起こるでしょう。

今はまだ顔出ししてYouTubeをやるのに抵抗を持つ方が多いですが、それも過渡期のことで、来年再来年にでもこの状態は完全に変わっているかもしれません。

まとめ

YouTube、ないし動画文化は今後、カリスマ性のある個人がエンタメ動画を出して活躍するYouTuber時代から、お役立ち系動画の時代へ、そしてSNS化の時代へ遷移していくだろうと思います(SNS的な使われ方をするのは、もしかしたらYouTube以外のプラットフォームになるかもしれませんが)。

こうした来たるべき変化を見据えてやっていくべきは、まずYouTubeを始めること。そして、役に立つ動画を作成してアップロードしていくことでしょう。

というわけで、私も近いうちにYouTubeの動画を作成していこうと思っています。