ロボットに夢中の母親や世の中に反感を募らせる少女メイ。ある日、彼女は大手企業のIQロボテックの社内で迷子になり、新型ロボット7723に出会う。

孤独なメイと高い殺傷能力を持つ7723、二人が繰り広げる冒険とは……?

Netflixオリジナル映画「ネクストロボ」を見たので、そのご紹介と感想をお伝えします。ネタバレあり。

Netflixオリジナル作品「ネクストロボ」の基本情報

テレビCMまで流れていたので劇場公開作品っぽいですが、これはNetflix(ネットフリックス)という映像配信サイトのみで視聴できる作品です。

基本情報

タイトル:「ネクストロボ」(原題:Next Gen)
制作年:2018年
制作国:カナダ・中国の合作
上映時間:107分
監督・脚本:ケヴィン・R・アダムス,ジョー・ケイサンダー

登場キャラクター

メイ:主人公の少女・サッカー好きでロボット嫌い
7723:IQロボテックで極秘に開発された高性能ロボ
ジャスティン・ピン:IQロボテックのCEOで、新機種ジェン6の売り込み中
ライス博士:IQロボテックのもう一人の創業者で技術者・7723の開発者
モモ:メイの飼い犬

想像以上! ネクストロボの感想

期待せずに見ましたが、想像以上に面白い作品でした。点数をつけるなら82点

3Dアニメ映画といえば「トイ・ストーリー」や「カーズ」のピクサーが超有名ですが、ピクサー作品に負けずとも劣らない作品です。似た題材のピクサー映画で「ベイマックス」がありますが、私としてはこちらの方がよかった。

カーチェイスやバトルアクションの迫力も満点ですし、随所に散りばめられたギャグも楽しい。切なさを感じさせる展開もあって飽きさせません。

アメリカの映画ばかり見ている自分としては「中国とカナダの合作ってどうなの?」と失礼な予断を持ってしまいましたが、しっかり楽しむことができました。

ネクストロボのここがいい! 褒めポイント・ベスト4

では、具体的にどんなところがよかったのか? 偉そうですが、「褒めポイント」を5つご紹介します。

褒めポイント1:やりすぎ&スラップスティックな展開

ディズニー・ピクサーの作品ばかり見ていると、無意識に彼らの作品の「基準」が頭にインストールされちゃっていますが、この作品はそれをちょいちょい踏み越えていきます。

たとえば、中盤には主人公メイと7723が街で暴れまわったり、それまでメイをいじめてた同級生をとっちめたりするんですが、これがけっこうやりすぎ。

戦争兵器並のパワーをもった7723を使って愛嬌のあるロボットたちを破壊してまわるというのが不謹慎で楽しいです。このへん、やや「くもりときどきミートボール」(2009年)を彷彿とさせます。あれもブラックなギャグがよかった。

それから、善人のある人物が後半あっけなく殺されて、しかも直後にそれをギャグにしてしまうあたりも、「ピクサーはやらないだろうな」という感じで斬新でした。

褒めポイント2:アクションと破壊シーンの迫力満点

メインのキャラクターが相当の破壊能力を持つ7723だけあって、アクションは迫力があります。

序盤にある高速道路でのチェイス、街の破壊、異なる種類のロボット同士でのバトル、自由自在でスピード感のある飛行シーンなど、どれもかなりのもの。

褒めポイント3:悪役のジャスティン・ピンがほぼトニー・スターク

もろにネタバレですが、IQロボテックのCEOで有名人のジャスティン・ピンは実は悪いやつです。……まあ、ありがちな展開なのでよく映画を観る人は予想できちゃうでしょうが。

このピン、明らかにアップルの故ジョブス氏をモデルにしているのですが、同時に「アイアンマン」の主人公トニー・スタークっぽくもあります。

それもそのはず、日本語版のピンの声優はトニーと同じ、藤原啓治さんなのです!

キャラクターとしても、世界的企業のトップで鼻持ちならないセレブの感じが共通しており、非常に似ている。かなり好きな悪役でした。

ちなみにですが、ネクストロボはおそらくアイアンマン・シリーズをかなり参考にしたと思われます。飛行の仕方やバトル展開、攻撃の仕方などがかなり似ています。

褒めポイント4:スパイスの効いた小ネタたち

1つ目のポイントと関係しますが、ちょくちょく挟まれる小ネタにブラックなものが多く、ドキッとしつつ笑えます。

いちばん好きだったのはメイが通う学校の荒れ方。これだけ技術が発展してるのに、学校の授業はまともに成立してないのがおかしい。授業をロボットにやらせてるけどそれが「退屈な先生の授業」そのままで、人間の先生は横で携帯ゲームをやってるというのも皮肉が効いています。

それから、悲しみを感じさせる切ないシーンも。

中盤、7723が攻撃をためらうところで、メイがそのアームを無理やり動かしてビームを発射するというシーンがあるのですが、そこが孤独な少女の攻撃性と向こう見ずな感じが出ていて胸に刺さるものがありました。

ここまでがプラスのポイント。次に、あえてだめだったところも挙げてみます。

ネクストロボのだめなところ4つ

だめなところ1:シナリオに納得しづらい点も

全体的に、ストーリーや設定で飲み込みづらいところがありました。

この物語は主人公メイと7723の絆を描いたものですが、その出会いは本当にただの偶然ですし、7723がメイの手助けをするしっかりした理由もありません

ベイマックスの場合は「主人公の兄がつくったロボット」という設定があったわけですが、この作品では何も繋がりがありません。

せっかく父親のことがメイのトラウマになってるわけなので、「かつて父親が開発に携わっていた」とかにすればよかったのかも。……まあ、そしたらますますベイマックスっぽくなってしまいますが。

ラストでは7723がメイとの記憶(メモリー)をすべて失ってしまいますが、それも何のフォローもなく、本当にゼロに戻ってしまいます。

ディズニー・ピクサーなら、何かしらの伏線を張っておいて、「大事な記憶だけは残ってた!」とかやりそうなところです。

だめなところ2:アクションシーンには既視感あり

これは必ずしも「だめ」というわけではないですが、映像には全体的に既視感がありました。

先ほども述べた「アイアンマン」や「ベイマックス」もそうですし、「あ、これはあれだな」と思ってしまうシーンが多数。

それから、長編アニメ映画として全米1位となった「インクレディブル・ファミリー」に比べると(比べるのも気の毒ですが)、斬新な映像というのはありませんでした。

「インクレディブル・ファミリー」では中盤、からだが伸びるイラスティガールのバイクアクションがあり圧巻でしたが、それに匹敵するものは「ネクストロボ」にはありませんでした。数年後、「ネクストロボの〇〇のシーン」というかたちで参照されるようなものはないでしょう。

「すごくよくできてて美味しい料理だけど、どっかで食べたことあるよね」という感想です。

だめなところ3:やるならもっと毒っ気を

不謹慎でスラップスティック、ブラックなコメディがあるのが「ネクストロボ」の魅力。ですが、やるならもっと徹底してやって欲しかった。

最近みた映画で「デッドプール2」というのがあるのですが、それは他の作品のことや出演俳優について、メタレベルのツッコミやボケが随所に入ってきます。

どうせ既存作品を参考にしているのですから、いっそパロディにしてしまった方がよかったのではと思わされます。

だめなところ4:タイトルに魅力がない

タイトルが「ネクストロボ」、原題が「Next Gen」。いかがなものでしょうか。

とてもシンプルで、内容を表してはいます。しかし、「ネクストロボ」というのはどうなのか。ダサくないか。

かといって、他に代替案があるのかと言われれば困るのですが……。

まとめ

何の気なしに見た「ネクストロボ」でしたが、かなりいい作品でした。普段、アニメ映画といえばジブリかピクサーの作品しか見ていないので、それらとは一味違ったものが味わえてよかったです。

個人的には主人公メイの荒んだ感じと、後先考えないやりすぎな行動が好き。

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